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緑内障 両国眼科クリニックの専門分野

両国駅徒歩4分『両国眼科クリニック』が所属する慶翔会グループの医師が、緑内障について詳しくご説明します。

両国眼科クリニックでは院長の診察日と火曜の午後を緑内障の専門外来としております。
視野検査は予約制となっております。
視野検査をご希望される場合にはお電話にてお問合せください。

緑内障ってどんな病気?

緑内障イメージ図
緑内障イメージ図

緑内障とは何らかの原因(眼圧が高い、視神経が弱いなど)で視神経が傷んでしまい、視野が欠けてくる、見えにくい部分がでてくる病気です。緑内障は40歳以上の17人に1人がかかるといわれています。

痛みや視力の低下などの自覚症状が起きずに進行することが多く、進行して欠けてしまった視野は治すことができません。しかし、早めに発見することができれば、点眼などの治療で視野欠損の進行を抑えることができます。

そのため、40歳以上の方は眼底検査や眼圧測定などの検診を受け、必要な場合に精密視野検査やOCT検査などの精密検査を受けることが重要なのです。

閉塞隅角緑内障

閉塞隅角緑内障

緑内障にはいくつかの種類があります。目の中を循環している液体を「房水」と言います。この房水が目の中から出て行く排水溝のような場所が角膜(黒目)と虹彩(茶目)のつなぎ目付近(隅角)にあります。

この隅角が閉塞して眼圧が上昇するのが「閉塞隅角緑内障」、隅角が開放しているのに視神経が傷んでしまうのが「開放隅角緑内障」です。眼球が小さかったり、水晶体が白内障などで分厚くなって虹彩を後ろから押してしまうと、隅角が狭くなってしまい、夜間など瞳孔が開いた(散瞳)時などに隅角が閉塞して急激に眼圧が上昇してしまうことがあります。

急激に眼圧が上昇するので非常に強い痛みや吐き気を伴い、眼圧上昇により角膜がむくんで(浮腫)しまうので視力が急激に低下します。急速に視神経の障害が進行して障害された視神経は回復できないので、緊急の処置が必要です。全身麻酔の時に使う薬などでも瞳が開く(散瞳)ので、閉塞隅角緑内障の方は注意が必要です。

開放隅角緑内障

隅角(房水が目の中から出て行く排水溝のような場所)が開放しているのに視神経が傷んでしまうのが「開放隅角緑内障」です。隅角のフィルター部分が詰まってしまい、排水溝の水の出が悪くなってしまうと眼圧が上昇してしまい、視神経が傷んでしまいます。

視神経が痛むと、視神経細胞が欠損してしまうので視神経乳頭陥凹(凹みが増える)という形状を呈するようになり、逆行性に網膜の視神経束が欠損してしまいます。一方、眼圧が正常なのに視神経が傷んでしまう「正常眼圧緑内障」もあります。

正常眼圧緑内障

眼圧が正常なのに視神経が圧力に弱く、傷んでしまう場合もあり、「正常眼圧緑内障」と言います。日本人にはこの正常眼圧緑内障が多いという報告もあります。そのため、眼圧の測定だけではなく、視神経の観察(眼底検査)や、網膜の視神経束の欠損状況(厚み)の観察(OCT検査)や視野検査などが重要になります。

危険因子として、次に当てはまるかたは、正常眼圧緑内障になりやすいといわれています。一度検査をおすすめします。

  • 血縁者に緑内障の人がいる
  • 強度の近視
  • 低血圧
  • 冷え性

低血圧・冷え性・過去の大きな出血などは、血流がわるくなり、視神経にダメージを与える要因となると考えられています。

視野欠損(視野が欠ける、視野の中に見えにくい部分ができる)

視野欠損イメージ図
視野欠損イメージ図

緑内障は視神経の障害が進行すると視野が欠損したり、視力が低下しますが、緑内障の種類によって、その進行のスピードはことなります。

一般的に頻度の高い開放隅角緑内障では、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多いのです。視神経の障害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなるので気づきにくいものです。特に片目から始まった場合には反対の目が見えてしまうのでかなり進行するまで異常を感じません。

しかし、閉塞隅角緑内障では、急性の緑内障発作が起きることがあり、眼圧が上昇することで、目の痛みやその目の奥の頭痛、吐き気など激しい症状をおこすと同時に、視野欠損も急激に進行してしまいます。視野欠損は神経の損傷です。一度傷害された視神経は現代の医学ではなかなか治癒させることはできません。つまり、一度欠損した視野は回復させることはできないのです。それゆえに早期の発見、早期の治療が大切なのです。

眼圧測定

眼圧測定

緑内障では眼圧(目の圧力)によって視神経が圧迫されて障害されますので、治療は眼圧を下げることがまず大切になります。そのため、眼圧の測定は点眼薬などの治療効果の評価のためにも重要です。目に空気をあてる、麻酔をして器具をあてるなどの方法で眼圧(めの硬さ)を測定します。正常範囲は10-21で、通常は15mmHg前後です。

眼底検査、眼底カメラ

眼底検査、眼底カメラ
眼底カメラ画像

くわしく精密検査する場合は、散瞳(ひろみを大きくする点眼をさして30分後に検査)して、視神経乳頭を観察します。眼底カメラで撮影して拡大して観察することもあります。

視神経乳頭(網膜の神経が集まって視神経となって眼球から出て行くつなぎ目)が傷んでいると凹んで行きますので、「視神経乳頭陥凹」と表現される形状を呈します。人間ドックなどで眼底カメラをとって、緑内障の疑いで眼科精密検査を要す、という場合はこの視神経乳頭陥凹を指摘されていることが多いものです。

OCT検査

OCT検査
OCT検査結果

緑内障を起こしている網膜は網膜神経束欠損といって網膜が薄くなっていることがわかりました。OCTは" optical coherence tomography " の略で、光干渉断層計《ひかりかんしょうだんそうけい》といいます。

目の奥の網膜を断層(輪切り)にして画像を示すことができ、網膜の神経の厚みを測定できます。さらに正常眼データベースと比較できるプログラムにより、緑内障の有無を他覚的に診断可能となりました。非常に初期の網膜神経束欠損も捉えることができるので、初期の緑内障の診断に有効です。

また、緑内障が進行すれば網膜神経束の欠損が広がりますし、進行が抑えられれば網膜神経束の欠損は広がりません。このように緑内障の経過観察にも非常に有用です。

精密視野検査

精密視野検査結果

自覚的(患者さんご自身がどのように見えているか)検査で、最も重要な視野欠損の程度を測定する検査です。

動的視野検査と静的視野検査があります。一定の明るさと大きさを持った光を動かしながら見えている範囲を測定するのが動的視野検査。自動的に出てくる明りに対し、見えたらボタンを押し、視野全体の中の見える部分と見えない部分とを調べるのが静的視野検査です。

緑内障の自覚症状の変化を継時的に評価するのには静的視野検査が用いられることが多く、変化が多い時は3ヶ月毎、変化が少ないと考えられる時は6ヶ月ごとなどに検査が行われます。片目ずつ行い、通常は15分程度で終わります。

緑内障の発症リスクと進行のリスクを高める要因の中で、コントロールできるのは眼圧だけです。

緑内障の治療は眼圧を下げることが大切です。眼圧は変動しますし、個人差もあります。まず、自分の平均眼圧から、より下げると進行を抑制できます。

はじめに点眼薬で眼圧を下降させます。最近は、緑内障点眼薬も合剤が発売され、患者さんの負担を減らそうと工夫されてきています。

視野の進行がおさえられない場合にはレーザーや手術にて眼圧をさげることもあります。

急性発作の場合には、レーザー治療や点滴で直ちに眼圧を下げる必要があります。

引用元:飯田橋眼科クリニック